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農福連携

「挑戦を楽しむ」—山都でしかの農福連携。

農福連携が、農家の「困った」を変えていく。

山都町は、有機JAS認証の事業者数が全国最多という、有機農業日本一の町。その農家たちが長年困っていたのが、収穫後の選別・袋詰め作業の負担でした。外部に頼みたくても、有機JAS認証に対応した施設がないと委託できない。ずっと課題のまま残っていたんです。そこで生まれたのが、就労継続支援A型事業所を開所し、利用者さんにパッケージ作業を委託するという仕組み。農家は生産に専念できて、利用者さんには新しい仕事の機会が生まれる。農家の課題解決と雇用創出を同時に叶える「農福連携」の仕組みです。

山都の旬が、手仕事でおいしくかたちに。

おもな仕事は、袋詰め作業と加工品づくり。にんじん、たけのこ、パプリカ。山都町の旬の有機野菜をピクルスに仕込んだり、農園のいちごを丁寧に箱詰めしたり。季節ごとに仕事が変わるから、飽きずに続けられます。現在、品目ごとに作業内容を細かく整理して、誰でもわかりやすいマニュアルに落とし込み中。山都の恵みを受け取って、自分の手を通してかたちにしていく。その工程のひとつひとつに、誇りとうれしさが宿っていきます。

作ったものが、全国の誰かに届いていく。

できあがった商品は、地元の道の駅をはじめ、ふるさと納税の返礼品やOEM販売として、全国各地に届けられます。農家メンバーとの連携で1年分の仕事量があらかじめ確保されているので、「次の仕事はどうしよう」という不安もなく、安定して働ける環境が整っているのも大きなポイント。自分たちが仕上げたものが誰かに選ばれ、喜ばれ、食卓に並ぶ。遠い誰かとつながっていけるようなあたたかさが、ここで働く誇りになっています。

農家も、利用者さんも、うれしい仕組みを。

就労継続支援A型事業所を開所して、利用者さんにパッケージ作業をお願いする。この仕組みが見えてきたとき、「これはwin-winだ」と確信しました。農家は生産に専念して規模拡大を目指せる。利用者さんには新しい仕事の機会が生まれる。実は山都町にはA型事業所がまだ一つしかなく、町としても増えることを望んでいます。必要とされている場所で、必要とされる仕事をする。その手ごたえと責任感が、この取り組みを前に進める力になっていくと信じています。

努力が、ちゃんと報われる場所にしたい。

農福連携は今もなお、導入のハードルが高いとされている分野です。それでも私たちは、「挑戦することを楽しむ」を合言葉に、その壁を乗り越えていくつもりです。B型事業所からA型へのステップアップ、工賃の向上、施設外就労の仕組みづくり。努力が成功体験に結びつく環境を整えながら、利用者さん一人ひとりの自立を全力で応援していきます。農業と福祉が連携することで生まれる新しい可能性を、山都町というステージから全国に発信していく。それが、山都でしかが農福連携に挑む、大きな使命です。

「夢を叶えるサポートを」
——米村健(よねむらたけし)さん

障害者支援施設での5年、在宅支援の15年。福祉の現場に20年以上携わってきた米村健さんが、農福連携の支援担当として加わってくれました。「自分の力で稼いで、地域の中で生きていきたい。そんな夢を叶えるお手伝いができたら」と穏やかに、力強く話してくれます。土を触ることで、自然と気持ちが穏やかになっていく。そういう体験談も、たくさん聞こえてきます。山都の有機農業という確かな「強み」があるから、事業の安定も利用者さんの豊かな生活も同時に叶えられると、米村さんは信じています。