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メンバー紹介

株式会社 マルハチファーム代表
八田 祥吾

ずっと農家を継ぐつもりはなかった。ただ、大学卒業時に社会を見渡してみると、幼い頃から身近にあった“農業”に1番可能性を感じたという。以来、将来的に農業を続けるために、身につけていおくべきことは何なのか?という問いに答えるように、地元の出版社や資材会社でキャリアを積んだ。もっとも近くにあった農業が、夢に変わった瞬間だった。

「山都でしか」を設立したのは、38歳の時。しなやかな感性と持ち前の行動力で、
“農”を通じてみた山都町の特別な日常を、もっと地元の人に知ってほしいという一心で活動をスタート。
思いを同じくする仲間は、想いに吸い寄せられるように集まった。地域に関わる人々の、
どんなに小さな声にも耳を傾ける姿は、まるで地域商社のよう。山の都の未来を拓く立役者的存在だ。

ASO Gairinzan Organic合同会社 代表
鳥越 靖基・岸 千恵

作物は音符で、土は譜面。作物と。人と、地域のチューニングをするように農と向き合っている。同じバンドのメンバーだった2人は、東北大震災を機に暮らしを見直し、農業へと関心を寄せる。」有機農業」のキーワードだけを頼りに、2011年には生まれ育った関東を離れ山都町へ。手探りではじめた移住生活は、住む場所から耕す田畑まで、当たり前に手に入るものでないことを痛感する日々。けれども、自ら動き学ぶ精神で、目指す道を諦めることなかった。

現在は、従来の有機農業の課題を払拭する「BLOF理論」に基づいた、科学的根拠のある有機農業を確立。2022年4月には、自らも1期生として学んだ「有機の学校」を復活、副理事長に就任。持続可能な農業の後継者育成や移住サポートなど、全国を舞台に精力的な活動を続けている。

なかはた農園代表
中畠 由博

農業が主要産業である山都の農は、歴史が深い。そんな由緒正しき農のまちで、父の代から約40年。いちごやブルベリー、お米、を育てる「なかはた農園」の5代目を担う。生まれも育ちも山都町でありながら、山都の歴史の中では「新参者」と称し、しがらみを振り切り、自らを奮い立たせてきた。

農業を取り巻く環境が変わりゆく中で、その魅力が埋もれていってしまうことに危機感を覚える中で、「いかに農を通じて喜んでもらえるか?”」をテーマに、2017年には廃校となった小学校の跡地横に観光農園を開業。ピザ釜体験や講演会など、多くの観光客を呼び込むコンテンツを生み出した。また、2021年には平均年齢65歳の「農事組合法人 イチョウ」を設立。後継者育成や耕作放棄地の活用など、地域課題の解決にも果敢に挑んでいる。

田上農園代表
田上 貴士

山都町は、全国有数の有機農業の先進地。ここで約40年前から有機農業や食育に取り組んできた有機農業の先駆者である父の背中をみて、35歳の時に家族とともに帰熊。エンジニアとして仕事にやりがいを感じてはいたものの、先代が築き上げてきた土壌や環境、何より有機野菜のことを理解し、その味を待ってくれている消費者の存在を得難いであることに気づき、継ぐ決心をしてという。

肥料は自然界にあるもので賄う、有機肥料を使った持続可能な農業を踏襲。標高600mを越える中山間地ならではの立地を強みに変え、手間を惜しまない真摯な姿勢で育てた野菜を食べてくれる人の元へと届ける。1年に1度しか挑戦できない農業は、観察力と想像力の賜物。「観て考える」をモットーに、畑を人も、ゆっくりと育んでいる。

割烹 本さつまや料理長
岸本 竜彦

料理を通じて、まちの温度感を伝える食のエンターテイナー。山都町の中心部にある創業150年の老舗料亭に生まれ、飲食の道を志す。27歳でUターンし、店を継いだことに迷いや葛藤がなかったわけではない。先代がやってきた道の焼きなおしではなく、自らの道を模索し続け、ひたむきに料理と山都町に向き合い、20年が経った。その過程で、若い生産者や事業者が吹き込む新しい風に心を救われた経験から「料理を作る以上に大切なことは、伝える側に周ること」だと悟ったという。

生産者とのつながりを大切に、料理とコミュニケーションで訪れる人をもてなす食のエンターテイメントを提供する。自らの進めべき道を見つけた今、生まれ故郷という言葉では収まりきれない魅力を、この場所に感じている。